PCI PowerMacintoshでは、Mac OS XのインストールCDから起動すらできません。そこでRyan Rempel氏がご自身のサイトで公開している、インストール方法を解説します。
この解説の中で、オリジナルのMac OS X Install CDはそのままの名前で、CDから作ったパーティションをMac OS X Install CDパーティションと呼びます。見かけ上の名前は全く一緒です、混同しないように注意してください。
必要なソフトのダウンロード
PCI PowerMacintoshにMac OS Xをインストールするために、インストーラCDの内容を書き換えなくてはなりません。そのためのツールがこちらにあります。ページが開いたら、上から十行目ほどにあるリンクテキスト(http://homepage.mac.com/RyanRempel/Download/OldWorldSupport.img.bin)をクリックします。ダウンロードが始まりますが、容量が小さいため1〜2分ほどで終了します。《OldWorldSupport.img》というディスクイメージファイルができていればOKです。もしうまく解凍されずに、《OldWorldSupport.img.bin》といファイルのままでしたら、StuffIt Expanderアイコンにドロップしてみてください。
前準備
Mac OS Xをインストールするために、一度ディスクのパーティションを切り直さなければなりません。この作業をすると、ハードディスクの内容はすべて消えてしまいます。大切なデータは必ずバックアップしてください。また最低で6GBほどのHDDをインストールしておく必要があります。私は加賀電子のStorageFighterII+IBM DTLA-307030を使用しました。StorageFighterIIはファームウエアのアップデートが必要です。加賀電子サイトにファームウエアのアップデータがあります。アップデートの方法は、そちらをよくお読みになってください。今回はこれらの機器とPowerMac 7600で確認しました。
まずMac OS Xに付属してきた、Mac OS 9.1インストールCDから起動します。その後CD内にあるドライブ設定を起動します。
次に開かれるボタンで、パーティションの設定をします。私の場合は、6つのパーティションに切り分けました。ここでは、最低4つに切り分けることを、おすすめします。そこでパーティションのプルダウンメニューより、切り分けるパーティションの数を設定します。これでそのディスクを均等に割ったパーティションが、指定した数だけできていると思います。次にボリューム情報で、パーティションの容量を指定していきます。最初のパーティションを、Mac OS 9.1用に2GBほどとります。同じ要領で、次のパーティションはMac OS X用で2GBほど、次のパーティションはMac OS X Install CD用に700MB程度とります。残りをすべて、データ・アプリケーション用に割り当てます。この時、Mac OS Xをインストールする領域を、先頭から8GB以内に作成しなくてはなりません。今回の設定ではそのように設定しています。領域の問題で、正確に知りたい、正しい領域で切りたい方は、UNIXのツールでpdiskと言うツールがあります。これでパーティションを切れば、正確に先頭から何MBにいるかわかります。これらのツールの解説は、LINUXの解説書に任せることにします。
パーティションの設定後【OK】ボタンを押し、ディスクの初期化をします。
Mac OS 9.1のインストール
2の項で作成したMac OS 9.1用パーティションに、Mac OS Xをインストールします。このパーティションを、Mac OS XのClassic環境にするのであれば、次の項はとばして5までお進みください。
Classic環境用Mac OS 9.1インストール
2の項で作成したMac OS X用パーティションに、Mac OS Xで利用するClassic環境用Mac OS 9.1をインストールします。
インストールイメージの作成
Mac OS 9.1から起動し、ダウンロードしておいた《OldWorldSupport.img》をダブルクリックします。下図のような内容です。
このうちInstallerToolsを、デスクトップにコピーします。ディスクイメージのままでは《Apple Software Restore》が動かないことがあるようです。CDドライブにMac OS X Install CDを入れ、マウントされたCDを《Apple Software Restore》にドロップします。少し時間がかかりますが、下図のようなウインドが開きます。
現在おいてある最新の《OldWorldSupport.img》では、必要なファイルのコピーを自動でやってくれるAppleScriptが同梱されています。こちらの方が、間違いがなく作業を進められると思います。AppleScriptでうまくいかない(たいていの場合はうまくいくはずです、インストールパーティションの名前が《Mac OS X Install CD》になっていないとうまくいきません)、手作業でやってみたいという方は、これ以降の方法をおためしください。
まず下図をご覧ください。《OldWorld Support》フォルダの中のオレンジ色のファイル、赤いフォルダ、緑のファイルをそれぞれ、先ほど作成したMac OS X Install CDパーティションの、適切な位置にコピーしなければなりません。見やすくするために、内容をリスト表示に変えて、色を付けています。実際はアイコン表示で色は付いていません。
最初に《KernelExtensions》フォルダの中身(オレンジ色のファイル)をコピーします。コピー先はMac OS X Install CDパーティション/system /Libraly/Extensionsです。オレンジ色のファイルすべてをこのディレクトリにコピーします。
次に《OldWorldSupport.pkg》フォルダ(赤いフォルダ)をコピーします。コピー先はMac OS X Install CDパーティション/System/Installation/Packagesです。赤いフォルダごと、このディレクトリにコピーしてください。
最後に《OSInstall.list》ファイル(緑のファイル)をコピーします。コピー先はMac OS X Install CDパーティション/System/Installation/Packages/OSInstall.mpkg/Contents/Resourcesです。《OSInstall.list》と言うファイルがすでに存在していますが、それと置き換えます。
コピーする順番は変えてもかまいません。わかりやすい順番でやってみてください。
以上でインストールの準備が完了しました。
Mac OS X Install CDパーティションからの起動
ここまでくれば、後はインストールするだけです。しかし、Mac OS X Install CDパーティションの中にある《Install Mac OS X》をダブルクリックをしても、【Quit】ボタンが現れて先に進めません。
《OldWorld Support》→《Installer Tools》の中にある《System Disk 3.3.1》を使用して再起動します。《System Disk 3.3.1》をダブルクリックすると下図のようなウインドが開かれます。
このウインドで、Mac OS Install CDパーティションを指定し、ウインドを閉じます。
【特別メニュー】から、【再起動】を選び再起動します。
特に注意してください!!
Mac OS 9.1の《起動ディスク》は絶対使わなでください。深刻なトラブルになる可能性があり、最悪どうやっても立ち上がらないマシンになってしまいます。
インストールの始まり!!
うまくMac OS X Installer CDパーティションから起動ができると、にこにこMacの左上にくるくる回る虹色のCDアイコンが現れます。しばらく待つと、青い画面に変わりInstallerが起動し、初期画面が現れます。ここで主に日本語を使用するを選択すると、メニューも日本語に変わります。ここから先は主に【続ける】ボタンを押して、先に進めます。ディスクのスピードにもよりますが、およそ2〜30分でインストールは終了します。ここまでくれば、後もう少しです。ゆっくりコーヒーでも飲みながら待ちましょう。インストールが終了すると自動的に再起動され、軽快な音楽とともにセットアップアシスタントが起動します。アシスタントの主な質問に答えながらすすめ、アシスタントが終了すると、お楽しみください!の言葉を最後に、私たちはMac OS Xの世界をPCI PowerMacintoshで手に入れたことになります。
うまくいかないときは
Mac OS Xになり、SCSIなどのインターフェイスにおいて、シビアな判定が行われます。内蔵機器、外付け機器ともにターミネートがちゃんとされているかご確認ください。PCIスロットにSCSIカードが刺さっている場合、内蔵用ポートにターミネートしたら動いたと言う話も聞いています。また、PCIスロットに増設する拡張カード自体に、互換性のないものもたくさんあるようです。必要最小限のものにして試してみてください。
動作したオリジナルCPUカード
PowerPC604 120MHzとPowerPC604e 180MHzのCPUカードが動作しました。とても遅く実用的な速度ではありませんが、G3/4カードが壊れたときのバックアップとしてとっておいても役に立ちますね。これらのカードを利用するときは、バックサイドキャッシュを利用するためにインストールしたファイルを取り除かないと、うまく動きません。Mac OS 9.1から起動して、それらを取り除いてから起動しましょう。
Mac OS Xが10.0.2にアップデートされました。OldWorldSupportでMac OS Xをインストールされたマシンでも、このアップデータは利用できます。しかしこのアップデートをすると、SCSI接続されたCDドライブでは、データの取り込み・オーディオCDの再生に不具合が生じます。これを回避するための【OldWorldSupportUpgrade】が
Ryan Rempel氏のサイトで公開されています。私の7600および、9600でもこのアップデータにより、この問題を回避できています。
インストール方法
Mac OS Xで起動している状態で、Ryan Rempel氏のサイトにある【OldWorldSupportUpgrade】をダウンロードすると【OldWorldSupportUpgrade.img】と言うディスクイメージになります。もしこの時点で、うまくディスクイメージができあがらないときは、ダウンロードされたファイルをStuffIt Expanderにドロップしてみてください。
【OldWorldSupportUpgrade.img】をダブルクリックすると、ディスクイメージがマウントされます。そのディスクイメージを開くと【OldWorldSupport.pkg】と言うファイルがありますから、それをダブルクリックします。
インストーラが起動しますので、左下の鍵マークをクリックして、管理者パスワードを入力します。
後は通常のインストールのように進め、インストールが終了したら、再始動しましょう。
これであなたのMacintoshも、Mac OS X最新版の機能を使えることでしょう。iTunes1.1.1と対応しているCDRW/CDRがあれば、Mac OS X上でiTunes1.1.1からCD-ROMを焼くことができます。私が利用しているSCSI接続のCW6416Sでは認識してくれず、CDを焼くことはできませんでした。